もうすぐ春ですね。
2021年3月2日
こんにちは。さいたま市西区指扇の歯医者、加藤デンタルクリニック 歯科衛生士の岩崎です。
今回は学童期・思春期の栄養とお口の機能についてお話します。
学童期は満6歳~11歳(小学生)のことを言い、思春期は11歳~15歳頃までの期間を言います。
学童期では、発育速度は幼児期よりもさらに緩慢なります。また精神面の発達も顕著で、自立した行動をとるようになり、食嗜好が完成する時期です。この時期には規則正しい食生活と運動習慣、食育が重要です。
■学童期の栄養ケア
成長の早い児童は、急激な変化と成長を健やかに支えるために、特にエネルギー、たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンなどを適切に摂取する必要性が増加します。
〇エネルギー
・消費エネルギーの増加
・成長期なので、摂取エネルギーを減じる体重コントロールは行わない。
〇たんぱく質
・アミノ酸化の高いたんぱく質
〇脂質
・脂質エネルギー比は20~30%
〇ビタミン、ミネラル
・骨形成のためカルシウム、ビタミンDの確保
・鉄、ビタミンCの確保
・摂取エネルギー増加に伴いビタミンB群の必要性増大
また生活習慣病の危険因子を減らすために、エネルギーの不足や過剰、塩分過剰摂取、食物繊維不足などに注意し、適正な栄養量へ改善することが大切です。
①多種多様な食品の摂取
②ビタミン、ミネラルの充足
③食事ごとのエネルギー配分比
④主食、主菜、副菜のバランス
⑤規則正しい生活(早寝早起き、朝食を食べる)
■思春期の栄養ケア
行動範囲や友人関係が広がり、自宅外での食事が多くなる。食品選択を自ら行い、食習慣や生活習慣が変化し、確率される時期なのが思春期の特徴です。必要栄養量はヒトの一生の中で一番高いが、間違ったダイエット、偏った食品選択、不規則な食生活などの原因から、アンバランスな栄養摂取に陥りやすい→生活習慣病、またはその予備軍。
肥満:生活習慣病の予防が必要(男性に多い)
痩せ:無理なダイエットや偏食によるもの(女性に多い)
鉄欠乏性貧血:月経を開始した女子、激しいスポーツをする男子
〇炭水化物
・やせ願望や欠食、米離れにより穀類エネルギーが減少傾向
〇脂質
・必須脂肪酸は成長やホルモンに必要
・動脈硬化予防のためにも多価不飽和脂肪酸、特にn-3系脂肪酸の割合を増加させる
〇ビタミン、ミネラル
・ビタミンAは視力低下予防のために必要
・カルシウム吸収は乳幼児、妊娠後期ともにカルシウムの吸収率が高値→骨形成
・男女ともに鉄の需要が高まる→鉄は12歳~14歳の推奨量は男子⒒5mg/日、女子⒔5mg/日(吸収率アップのためにもビタミンCが必要)
『歯で困ったら』ではなく、『食べるこで困ったら』歯医者さんにご相談ください。
現状では、のみ込めない、ため込む、偏食、早食い、食べるのに時間がかかるなどの事象が口腔機能に起因していることはほとんど一般に周知されていません。
まずは、正しい咀嚼・嚥下・呼吸を習得し、口腔機能の発達を促すためであること理解していくことが大切です。